日本で唯一といわれるお祭り専用船の御座船。毎年の海の日に開催される塩竈みなと祭本祭では志波彦神社・鹽竈神社、両社の2つの御神輿を乗せ、松島湾の海上を巡幸し、海上安全と大漁を祈願します。またその周りを80艘もの飾りたてた御供船を従えて松島湾内を巡幸する様子はまさに圧巻、さながら平安絵巻のようです。
御座船の歴史について
御座船は塩竈みなと祭本祭において御神輿を奉安し、海上を渡るためだけに作られた日本唯一の“お祭り専用船”です。その歴史は昭和23年に遡ります。
昭和23年、海の日の成立を記念に御座船「鳳凰丸」の艤装が行われることとなりました。これが初代御座船「鳳凰丸」です。翌年の昭和24年には2代目「鳳凰丸」が建造、松島に寄港する現在の海上渡御のコースの礎となる海上渡御が初めて実施されました。
昭和38年には雨にあたりやすいことから日程を変更し、8月第1週に変更。これを記念し、翌昭和39年、水産業界の有志にて御座船「龍鳳丸」が建造されました。この御座船「龍鳳丸」は現在も使われ続けている歴史ある船です。併せてこの時から志波彦神社・鹽竈神社、両社の御神輿がともに巡幸する現在の形となりました。
昭和39年には御座船「鳳凰丸」を塩竈市が新造し、3代目であり現行の「鳳凰丸」が完成しました。
以降、御座船は塩竈みなと祭のシンボルとして、建造から約60年経った今も東日本大震災やコロナ等の困難も乗り越え、祭以外の際は現在も塩竈港内に鎮座し、塩竈市を見守っています。